恋愛でも大切な語彙力と言語のレベル合わせ
人間は言語を使ってコミュニケーションする生き物。
もちろん、ボディーランゲージやなんとなくの感覚も重要な要素ですが、恋愛でも普通の人間関係でも、長く続く強い関係に育てるのには、言葉のやりとりで交換する情報の質が結局重要になってくるのではないでしょうか。
「この人と話していると楽」「フィーリングが合う」という「快」の感覚は、もしかすると物事に対する感覚が似ている上に、使う言葉のレベルと種類がとても似通っているからではないでしょうか。自分の言いたいことが、頭をひねらなくても自然に出てくる・・・これは、よく知り合うとともに、「この人なら、自分の自然な言語レベルで相手がほぼ完全にニュアンスを分かってくれる」という相手の言語能力に対する信頼が生まれてくるからではないでしょうか。
国際恋愛や結婚の破綻の大きな原因が、2人の共通言語のレベルが時間を経ても同じにならなかったためという例をいくつも見てきました。最初は、惹かれあって始まった恋愛が、時とともに、コミュニケーションのギャップがどうしても埋められなくなり、終わってしまうパターンです。
お互いに母国語でない言葉で、レベルが同じくらいで話している場合だと問題にならないこともありますが、片方が母国語を使う社会で二人が生きている場合、時間とともに問題になってくるケースがよくあります。
同じ母国語の国で暮らしていても、人間それぞれの言語のレベルや語彙の種類は実は大きく異なるものです。教育や環境にもよりますが、どのような言語体系でコミュニケーションするのを好むかという個人のタイプにもよります。その人の語彙や言語の基礎を作っているのは、これまでに読書その他さまざまなインプットで形成されてきたものですから、どんな本やメディアを好んで読むのかということもわかっていた方が、相手の言語傾向を知ることができて良いですね。
あなたの好きな人は、抽象的な語彙が多く、余韻が多いコミュニケーションを好むタイプでしょうか。実際的なボキャブラリーや表現が多いタイプでしょうか。あまり多く話すことを好まないタイプもいるかもしれませんね。
よく相手を安心させるために、セールスのプロが使うテクニックとして、相手のボディーランゲージや言葉遣いを真似るということが挙げられていますが、もしあなたが今、相手に自分との時間を快と感じさせるため努力しているという段階であれば、相手の語彙の種類やコミュニケーションの質を理解し、合わせてみるというのも良いかもしれません。しばらくして、あなた自身がそれに快を覚えられるようになれば、無理なく関係をはぐくむことができるのではないかという気がします。