Jardin d'Apsara Paris

アプサラのタロットカードリーディングとパリの暮らし

結婚離婚のメリット・デメリット

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【結婚は金融商品か。あなたがその結婚・離婚で得るもの・負うもの】

 

藤沢数希さんの「損する結婚 儲かる離婚(新潮新書)」

https://www.amazon.co.jp/dp/B01MUH9OBL/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

 

結婚離婚でどうお金が動くか、とても参考になる本です。

 

ここ数年、私の周りでは離婚ラッシュと、一方で初婚の婚活中の友人も多いです。

 

離婚についてたくさんのケースを見て、時には裁判所に付き添ったり文書のチェックを手伝ったりしてきて、結婚離婚について相談されたとき、いつも言ってることがあります(夢が壊れるかもしれないので閲覧注意)。

 

よくリスクのお話しが出ますが、藤沢さんの本は「最も身近にある結婚というリスク、どれだけ意識されてるでしょうか」というプロローグから始まります。

 

「結婚(そして潜在的に将来の離婚) という法的契約は、ひとつの金融商品の取引」という身も蓋もない(笑)表現が、しかし当たっていると思うのは私だけでしょうか。

 

ダルビッシュ選手と紗栄子さんなど、ケーススタディとしてわかりやすく説明してくれています。

 

ストックよりフローを見よというのも鉄則。

 

どんな事情があれ、一時は人生を共にしようと決めた相手にも自分にも、運悪く別れることになった時に、なるべく負担が少なくなるようにするための心構えとも言えます。

 

離婚する段階になって初めて本質がわかることも多いのですが、結婚とは、財産分割協定を結んでいない場合、相続財産以外の婚姻後の収入財産を共有する契約だということです。

 

一昔前まではどこの国でも、男性が稼ぎ、女性は家で育児をして支えるという結婚が大多数で、離婚する場合、その後も多くの場合お子さんを育てるのは女性だった。自分で十分に稼げなくとも生活の不安がないように、という配慮が大切だったと思います。女性とお子さんの生活レベルを下げないため、男性が稼いだ財産を平等に分けるというシステムはある意味女性へのセーフティネットであり公正性があったかもしれません。

 

今の世界では、共稼ぎもふつうですが、では相手にそれなりに収入があれば離婚しても払わなくてもいいかといえばそうでもない。多くの国で法制度の原則は収入が多い方に厳しいです。

 

そもそも分けるものがそう多くなければ、裁判をするお金の無駄と考えて、円満離婚することも可能かもしれません。

 

が、あなたが伴侶よりも収入が多くて、財産分割をせずに結婚したのちに家のローンを多く払っていた場合など、財産分与の時には相手にも少なくとも家という共有財産の半分を要求する権利が生じます。

 

男女問わず相手の収入が少ない場合、あるいは専業主婦(主夫)の場合は、離婚成立まで月々の婚姻費用を払い続けることになります。そしてこれは、どちらに離婚の原因があるかにはあまり関係なく、収入のレベルだけで決まることですから、離婚成立まで長い間の負債が生じることも。

 

ちなみにフランスでは両親に平等に親権が認められ、離婚後も成人前のお子さんがなるべく二親に平等に接して育つことが理想とされます。子どもは成人するまで双方の家を往復して過ごすのが最も良いとみなされ、この条件を満たすために、収入の差が著しい場合、離婚後も養育料のみならず相手の生活費も補填せよと裁判所に命じられることも。

 

長い間結婚されていて伴侶の定年前に離婚したいと考えた場合。結婚している期間に形成された資産は分割することになり、年金分割制度もあります。

 

が、たとえば親代々の資産家やベンチャーのお金持ちと再婚するケースでは、お相手の財産事業利益も株式も結婚期間に形成されたものではないので、離婚する場合、結婚後の事業がずっと右肩上がりでなければ、悪ければ年金以外もらう権利はほとんどないという場合もあります。

 

それどころか引退間近のスポーツ選手と、働いている一般女性が結婚したケースで場合によっては女性の方が婚姻費用を多く払うことになることも。

 

「結婚相手の選び方は株式投資と同じ」とまでは言いたくなくとも、男女問わず

 

①起業している方

②お相手やあなたが再婚、また以前の婚姻でお子さんがいる場合

③あなたの収入(相続財産や婚前に形成した資産除く)が相手よりかなり多い場合

 

は、よく調べておいたほうがいいと思います。

 

また昨年民事法の改正がありましたが、日本特有の悪法として名高い連帯保証人になってないかも確認できたら良いですね。

 

人生を誰かと添い遂げることには大きな意味があると思いますが、そもそも好きな相手と人生を共にするのが目的なら、結婚という契約は絶対にしなければならないことなのか?

 

経済的に十分自立しているのに、「このまま1人は不安だから…」とよくききますが、その結婚は本当にあなたを今より安全にしてくれるのか?

 

逆に離婚したらあなたが負う負債、あるいは受け取れる経済効果は実際にはどのくらいなのか。

 

もちろん結婚には経済的観点以外のメリットもたくさんあります。

 

それでもやはり、自分の自立こそが最も大切なことだと、理想論かもしれませんが思います。